第2回「賃金・価格・利潤」の学習

 第2回「賃金・価格・利潤」の学習


 第1回は5月16日となっています。本日5月24日ですのでだいぶ時間が経過してしまいました。それでも、焦って進む理由はひとつもないので、じっくり進んでもいいかとも考えているところです。


7ページ前置きからになります。


まえおき


諸君。


 本題に入る前に、2、3前置きを述べさせていただきたい。。

ヨーロッパ大陸では、このところ、ストライキが本物の伝染病のように猛威をふるい。

賃上げを要求する叫びがいたるところに上がっている。この問題は、我々の大会(1)で討論されることになろう。国際労働者協会の幹部(2)である諸君は、この最も重大な問題について揺るぎない確信を持っていなくてはならない。したがって私としては、あえて諸君に痺れを切らす思いをさせても、この問題を徹底的に論じるのが私の義務だと考えたのである。

 もうひとつウエストン君について前置を述べなければならない。彼は、 しごく評判が悪いことを自分でも承知している意見を、労働者階級のためになると考えて、諸君に提出しただけでなく、公然と弁護してきたのである(3)このように真の勇気を発揮したことには、我々一同大いに敬意を表さなければならない。私はあけすけな言い方で報告するが、この結論の点では、彼の主張の基礎をなしていると思われる正当な考えに私が賛成であることは、彼も分かってくれることと思う。しかし、彼の主張は、現在の形のままでは理論的に間違っており、実践上危険なものである。と私は考えないわけにはいかない。

 では、早速、我々の本題に入るとしよう。


1〔生産物と賃金〕

ウエストン君の議論は、実は、二つの前提に基づいていた。すなわち、第一に国民生産物の額はある不変なもの、数学者たちがよく言う一つの定量ないし常数だということ、第2に実質賃金の額、つまり賃金で買うことができる諸商品の量で測った賃金の額は、ある不変の額、一つの常数だということである。

 ところで、彼の大地の主張が誤りだということは、一目瞭然だ。年年歳歳、 職員がお気づきの通り、生産物の価値と数量は増加し、国民労働の生産諸力は増大し、この増加する生産物を流通させるために必要な貨幣の額が絶えず変動している。その年の終わりに、また違う年を互いに比較した場合に当てはめることは、その年の平均の各1日にも当て はまる。国民生産物の額ないし数は、絶えず変動する。それは、常数ではなくて、変数であり、人口の変動を度外視しても、そうでなければならない。というのは、資本の蓄積と労働の生産諸力とが絶えず変動するからである 。よしんば賃金率全般の上昇が今日起こったとしても、先々の結果はどうなるにせよ、この上昇が、それだけで直ちに生産額を変化させるものではないということは、全く正しい。この上昇は、まず最初、万事現状のままの中からおこってくるのであろう。だが、賃金が上がる前に国民生産物が変数であって不変数でなかったら、賃金が上がった後でもう引き続き変数であって、不変数ではない理由であろう。

 しかし、かりに国民生産物の額が変数ではなくて常数であるとしてみよう。この場合でもわかウエストン君が論理的帰結であると見ているものが、やはり根拠のない主張であることに変わりないであろう。例えば、8という一定の数があるとする。この数には絶対的な限界があるが、だからといって、この数の諸部分の総体的な限界が変わらないわけではない。

利潤が6で賃金が2であったとしても、賃金が6に増え、利潤が2に減ることもあり得るのであって、それでもやはり総額は8のままである。このように、生産額が不変だということは、決してで賃金額が不変だということの証明にはならないのであろう。では、わかウエストン君は、賃金額のこの不変性をどのようにして証明するのか?ただそれを主張することによってである。

 仮に一歩譲って彼の主張に同意するとしても、その主張は両側面に当てはまるはずなのに、彼はその一回だけを主張する。賃金額が一つの常数だとすれば、それは、増やすこともできないし、減らすこともできない。だから、もし労働者が一時的に切り上げを強要することが馬鹿な行動だとすれば、資本家が一時的な賃下げを強要することも、それに劣らず馬鹿な行動だということになるであろう。わかウエストン君も、一定の状況の下では労働者が賃上げを強要できるということを否定しはしないが、しかし賃金額は本来不変数だから、必ず反動がやってくるというのである。その反面、資本家は賃下げを強要できるし、事実、絶えず強要しようとしていることも、彼はご存知だ。賃金不変の原則に従えば 、この場合にも、前の場合と同じように反動がやってくるはずである。従って、賃下げの企てや実行に反対する労働者の行動は、正しい行動であるはずだ。したがって、労働者が賃下げを強要するのも、正しい行動であるはずだ。というのは、賃下げに対する反対行動は、全て賃上げ要求の行動だからである。従って、ウエストン君自身の賃金不変の原則に従えば、労働者は、一定の状況の下では、団結して賃上げ闘争をしなければならないことになる。

 もし彼がこの結論を否定するのであれば、この結論が出てくる元になっている前提を捨て去らなければならない。彼は、 賃金額はひとつの定量だなどと言わないで、賃金額は上がることはできないし、上がってはいけないが、資本がこれを引き下げたいと思う時にはいつでも下がることができるし、また下がらないいわけにはいかない。と言うべきである。もし資本家が、諸君に、肉の代わりにジャガイモを、また小麦の代わりに燕麦食わせておこうと思うなら諸君は資本家の意思を経済学の法則として受入れ、これに従わなければならない。もしある国の賃金率が他の国よりも高い場合には、例えば合衆国ではイギリスよりも高い場合には、 諸君はこの賃金率の差を、アメリカの資本家の意思とイギリスの資本家の意思との相違によって説明しなければならない。これは全く、経済現象の研究だけでなくその他のあらゆる現象の研究をもすこぶる単純なものにしてしまうやり方だ。

 だが、その場合でも、我々はこう質問してもいいだろう。なぜアメリカの資本家の意思は、イギリスの資本家の意思と違うのか? と。そしてこの質問に答えるためには、諸君は意思の領域の外に出なければならない。牧師は私にこう告げるもし私が彼に向かってこうした意思の二重性を説明してくれるように求めれば、あるいは彼は厚かましくも、神はフランスでは或る意思を 、イギリスでは別の意思を持つことを欲したもうと答えるかもしれない。しかしわかウエストン君が、このような合理的な考え方を全て完全に否定する議論をするような人ではないことは確かである。

 資本家の意思は、確かに、できるだけ多く取ることである。我々のなすべきことは、彼の意思を論ずることではなくて、彼の力、この力に限界、この限界の性格を研究することである。


2回目の終わりに、

11ページ12行目まで、おまでで1の〔生産物と賃金〕 となります。日本の労働運動の現状を見れば、ウエストン君が、圧倒的に勝利しているように見えてくるのです。

 これは私の味方が間違っているのか。どうなのかということも問われるべきでしょう。2は、ページ数が多いので次回半分程度進ことになるかもしれません。 







































































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