第5回 賃金・価格・利潤カール・マルクス 横山正彦訳 国民文庫=大月書店の学習 まえがき(生産物・賃金・利潤)20ページから
第5回 賃金・価格・利潤カール・マルクス 横山正彦訳 国民文庫=大月書店の学習
まえがき(生産物・賃金・利潤)20ページから
一八六二年、マンチェスターでの科学振興協会の会合で、ニューマン君が、彼もユーア博士もシーニアも、経済学のその他すべての御用代表者たちもまちがっていて、人民の本能のほうが正しかったと告白するのを、私自身が聞いている。私が、フランシス・ニューマン教授でなくてW・ニューマン君の名をあげるのは、彼が、トマス・トゥック君の『物価史』(15)|一七九三年から一八五六年までの物価の歴史を調べあげているあのりっぱな著書ーの協力者かつ共編者として、経済学上高い地位をしめているからである。
賃金額も不変、生産額も不変、労働の生産力の程度も不変、資本家の意志も恒久不変、その他なにもかも不変でもう動かせないものであるというわがウェストン君の固定観念がもし正しいとすれば、シーニア教授の不吉な予言が正しかったことになり、そしてすでに一八一六年に労働日の全般的制限こそが労働者階級の解放を準備する第一歩であると宣言して、一般の偏見をものともせずにニューラナークの自分の紡績工場で独力で実際にこれをやりだしたロバート・オーエンがまちがっていたことになろう。
10時間法が施行され、その結果賃金の上昇がおこったちょうど同じ時期に、グレート ・ブリテンでは、ここで列挙するのは場ちがいになるようないろいろな理由から、農業賃金の全般的上昇がおこった。
私の当面の目的には必要ないことだが、諸君の誤解を避けるために、いくつかのまえおきを
述べることにする。
ある人が一週につきニシリングの賃金をもらっていたとしても、彼の賃金がもしも四シリン
.
グに上がったとすれば、賃金率は100%上がったことになるであろう。
一週につき四シリング という現実の賃金額はやはりお話にならないほどみみっちい一種の飢餓手当であることにかわりはないのに、もし賃金率の上昇として言いあらわせばこれはたいへんすばらしいことのようにみえるであろう。
だから諸君は、聞こえのいい賃金率のパーセントに心を奪われてはならない。諸君はつねにこう尋ねるべきである。
もとの額はいくらだったのか? と。さらに、わかりきったことだが、一週につきそれぞれ二シリングもらう者が10人、それぞれ五シリングもらう者が五人、それぞれ一一シリングもらう者が五人いるとすれば、この二人は、あわせて毎週100シリングすなわち五ポンドもらうことになる。
さて、もし彼らの週賃金の総額が、たとえば20%だけ上がるとすれば、それは五ポンドから六ポンドにふえるであろう。
実際上は10人の者の賃金がもとのままであり、一方の五人の連中の賃金が五ション(7)
グから六シリングに、他方の五人の連中の賃金が55エシリングから70シリングに上がっただけだとしても、平均すれば一般的賃金率は二〇%上がったといえるだろう。
半数の者はその状態がちっともよくならず、四分の一の者はほんのわずかばかりよくなり、四分の一の者だけがほんとうにその状態が向上したことになるであろう。それでも平均で計算すれば、これら20人の者の賃金総額は二〇%増加したことになり、彼らを雇用する総資本と彼らが生産する諸商品の価格にかんするかぎりでは、彼らのすべてが平等に賃金の平均的上昇にあずかったのとまったく同じことになるであろう。
農業労働のばあいには、標準賃金がイン グランドとスコットランドの各県によっては大変なさがあるので、賃金上昇が彼らに及ぼす影響も極めて不同であった。22ページ2行目まで
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