第6回 賃金・価格・利潤 カール・マルクス 横山正彦訳 国民文庫=大月書店の学習 2[生産物、賃金、利潤]つづきとなります。22ページから

 第6回 賃金・価格・利潤 カール・マルクス 横山正彦訳 国民文庫=大月書店の学習

2[生産物、賃金、利潤]つづきとなります。22ページから

スコットランドの各県によってたいへんな差があるので、貸金上昇が彼らに及ぼす影響もきわめて不同であった。


最後に、この賃金上昇がおこった時期には、ロシア戦争の結果かけられた新税や、農業労働

者の住宅の大量の破壊などのような、賃金上昇の効果をそぐいろいろな力がはたらいていた。


まえおきはこれくらいにして、一八四九年から一八五九年までのあいだにグレート・ブリテ

ンの農業賃金の平均率がおおよそ四〇%上昇したことに話をすすめることにする。


私の主張を立証するたっぷり詳しいお話もできるのであるが、当面の目的のためには、私は諸君に、故ジョン・C・モートン君が一八六〇年にロンドン技芸協会でおこなった『農業でもちいられる諸力』にかんする良心的で批判的な報告を参照されるようにと言っておけば、それで十分だと思う。


 モートン君は、スコットランドの一二の県とイングランドの三五の県に在住する約100

人の借地農業者から彼が収集した勘定書その他の信頼すべき文書から、この報告書を作成している。


わがウェストン 君の意見にしたがえば、また同じ時期に工場労働者の賃金が上がったこともあわせて考えると、一八四九年から一八五九年までの期間中に農産物価格の暴騰がおこったはずである。


だが事実はどうか? ロシア戦争と、一八五四年から一八五六年までの相つぐ不作にもかかわらず、イングランドの主要農産物である小麦の平均価格は、一八三八年から一八四八年までの一クォーターあたり約三ボンドから、一八四九年から一八五九年までの一クォータあたり約二ポンドー0シリングに下落した。


これは、農業賃金が平均四○%上がったのと時を同じくして、小麦価格が一六%以上も下がったことを示すものである。この同じ期間のうち、(5)そのはじめとおわり、つまり一八四九年と一八五九年をくらべてみると、公式の極貧者は九三万四四一九人から八六万○四七〇人に減少し、その差は七万三九四九人であった。


いかにもこれはほんのわずかな減少であり、それもその後の年々にはまたもみられなくなったものではあるが、それでもやはり減少にはちがいない。


穀物法が廃止された結果、外国穀物の輸入は、一八四九年から一八五九年までの期間に、一

八三八年から一八四八年までの期間にくらべて、倍以上になったと言ってよいだろう。


では、その結果はどうなるか? ウェストン 君の観点からすれば、外国市場にたいする需要が、このように突然に、莫大に、継続的にみえたのだから、そこでの農産物価格はおそろしく暴騰したにちがいないと考えるはずである。


なぜなら、需要の増加の影響は、それが外からおよんでも内からおよんでも、結局は同じだからである。



事実はどうであったか? 凶作の数年をのぞいて、この全期間中、穀物価格の破滅的下落ということが、フランスでの熱弁のおきまりの題目となっていた。


アメリカ人は、再三再四、その過剰生産物を焼きすてることを余儀なくされた。

そしてロシアは、もしわれわれがアーカート君の言を信じるとすれば、自国の農産物の輸出がヨーロッパの諸市場でヤンキーの競争にいためつけられたことからアメリカの南北戦争をそそのかしたのである。


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