第4回賃金・価格・利潤 カール・マルクス著 横山正彦訳 国民文庫=大月書店
16ページからです。前回から長い間休んでしまいました。始まりのつまづきです。
比率が変化したことから生じたのであるから、原因がなくなれば結果もなくなり、価格はもとの水準と均衡に復するであろう。
賃金上昇の結果生じる利潤率の低下は、二、三の産業部門にとどまらず、全般的なものになってしまうであろう。
われわれが仮定したところによると、労働の生産諸力にも生産物の総額にもなんの変化もおこらなかったであろうが、
ただ、この定額の生産物の形態はかかってしまっていなことであから。生産物のうち生活必需品のかたちで存在する部分はまえよりも大きくなり、奢侈品のかたちで存在する部分はまえより少なくなるであろう。
あるいは、けっきょく同じことになるが、外国の奢侈品と交換されて、奢侈品のままの形態で消費される部分はまえより少なくなるであろう。
あるいは、これまたけっきょく同じことになるが、国内生産物のうち、外国の奢侈品とではなくその生活必需品と交換される部分はまえより大きくなるであろう。
したがって賃金率の全般的上昇は、市場価格を一時的に攪乱したあとでは、諸商品の価格になんの永続的な変動もおこすことがないまま、利潤率の全般的低下をもたらすだけにとどまるであろう。
もし、以上の論証で私が賃金の追加分全部が生活必需品に費やされると仮定していると言う
ものがあるとすれば、これに対しては私はこう答える。私はウェストン 君の見解にいちばん有利な仮定をしたのだ、と。
もし賃金の追加分が、以前には労働者が消費することのなかった品物に費やされるとしたら、彼らの購買力が実際に応えていることは、なんら証明を要しないであろう。
だが、彼らの購買力のこの増加は、賃金が上がった結果にほかならないのだから、資本家たちの購買力の減少とぴったり一致しなければならない。
したがって、諸商品にたいする総需要はふえないで、この需要の構成部分がかかるであろう。
一方のがわの需要の増加は、他方のがわの需要の減少によって相殺されるであろう。このように総需要はもとのままなのだから、諸商品の市場価格にはどんな変動もおこるはずがないであろう。
そうなると諸君は、つぎのうちのどちらか一つをえらばなければならなくなる。すなわち、
賃金の追加分がすべての消費財に均等に費やされる
――このばあいには労働者階級のがわの需要の拡大は、資本家階級のがわの需要の取縮によってつぐなわれなければならないーか、
それとも、賃金の追加分がある種の品物にだけ費やされて、その市場価格が一時的に上がることになる
――このばあいにはその結果おこるある種の産業部門での利潤率の上昇と他の産業諸部門での利潤率の低下とは、資本と労働との配分の変動をひきおこし、この変動は、
一方の産業部門での需要の増加に応じて供給が引き上げられ、他方の産業諸部門での需要の減少に応じてそれが引き下げられるまでつづくであろうーか、
そのどちらかである。一方の仮定のもとでは、諸商品の価格にはなんの変化もおこらないであろう。
他方の仮定のもとでは、市場価格が若干動揺したあと、諸商品の交換価値は、もとの水準におちつくであろう。どちらの仮定のもとでも、賃金率の全般的上昇の結果おこるものは、結局のところ利潤率の全般的低下以外のなにものでもないであろう。
諸君の想像力をゆさぶろうとして、ウェストン 君は、諸君にこう要求した。イギリスの農業生産物,賃金,利潤・労働者の賃金がかりに全般的に9シリングから18シリングの上がった場合にどんなに困った事が起きるか考えてみたまえ。と。彼はこう叫んだ。
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